このシリーズでは2024年に中国で大ヒットしたドラマ「繁花」のあらすじを紹介して参ります。今回は第3話の解説です!
その前に第3話で学べる慣用表現を紹介します。
繁花で学ぶ中国語
第一个吃螃蟹的人 (dì yī ge chī páng xiè de rén)
直訳すると、「初めて(悪魔のように見える)カニを(勇気をもって)食べた人」、つまり人に先駆けリスクを冒し果実を得た人の事。日本だと、初めて納豆食べた人すげー、とか思いますが、中国だとカニが不気味な存在なんですね。英語だとthe first penguinと言えるかな。
姜太公钓鱼,愿者上钩 (jiāng tài gōng diào yú,yuànzhě shànggōu)
周の時代、姜太公(太公望)が宰相として登用される前、隠居して河川で釣りをしていたのだが、なんと針はまっすぐで餌も付けず、糸は水面の上に垂れているではないか。人々が笑うと太公望は、望むものは自ら釣られるのだ、と言ったとか(自分の才能を理解しているなら、政府の方から自分を要職に登用してくれるはずだ)。転じて、騙されるかも知れないと思いつつ自ら罠にかかる事のたとえとなったそうです。某国駐在員が上海でKTVの小姐に入れ込むようなものですね。
さて上記のシーンは、范总が魏总にたやすく丸め込まれそうになりながら、その実 范总もしたたかな事を見抜いた李李が
这个范总不简单,看似姜太公钓鱼,钓了一个晚上,其实是在逼宫宝总
(范总は手ごわい、一見ちょろいやつに見えるが、その実 宝总のポジションを墜とそうとしている)
と言った場面です。このセリフ回し、李李の才女な一面がにじみ出てアツいですね!
第3話あらすじ解説
第3話 登場人物
役名 | 役者 | 補足 |
阿宝(宝总) | 胡歌 | 経済発展の波に乗り成り上がったビジネスマン |
爷叔 | 游本昌 | 阿宝のビジネスの師匠 |
玲子 | 马伊琍 | レストラン夜东京の女主人。阿宝と共同経営している。銭ゲバ |
汪小姐 | 唐嫣 | 外贸总公司のスタッフ。阿宝のビジネスパートナー |
范总 | 董勇 | 杭州の紡績商 |
李李 | 辛芷蕾 | レストラン至真园の女主人 |
魏总 | 郑恺 | 毛皮商人 |
发根 | 曹毅 | 阿宝の株仲間、株で損して自殺してしまう |
阿四 | 向川 | 发根の息子 |
あらすじ
第3話は阿宝が自殺した发根の妻と面談するシーンから始まる。妻は发根の株への投資を止められなかった事を深く悔やんでいる。阿宝と爷叔は、息子の阿四は故意に阿宝を轢いたのではなく、飲酒運転が原因だった事になればすぐに釈放されると励ます(おいおい)。
場面は玲子が友人・菱红のアクセサリショップで買い物をしているシーンに変わる。玲子は今日至真圆がオープンする事を知る。夜东京では複数の予約がキャンセルとなり、至真圆に客を持って行かれたため玲子の心中は穏やかでは無い。というかこの人、常にカリカリ怒っている。
そのころ黄河路では紡績商の范总が早々に至真圆に到着、マネージャーの潘经理は特別に個室をあてがう。范总は汪小姐に阿宝を至真圆に呼ぶよう頼みこむが、汪小姐は红鹭饭店にいる阿宝に聞いてみるしかない、とあしらう。李李はあえて范总の個室を他の客に回そうとし、もし范总がどうしても個室をキープしたいならその日はずっと至真圆にいるよう確約させる。
そのようなやり取りをしながらも結局、李李は毛皮商人・魏总に范总の個室を与え、魏总と范总の取引を促す。そこへ汪小姐の依頼を受けた陶陶(阿宝の友人)が、范总に红鹭饭店へ来るよう誘いに来る。調子に乗った范总は逆に阿宝に至真圆へ来るよう伝えると一触即発の雰囲気に。この後、誰がどっちの店へ行く・行かないの押し問答が続く展開となる。
日が変わり、至真圆のマネージャーがスタッフの敏敏の化粧や服装が客に媚びていると李李に言いつけると、李李は逆にそれが敏敏のたくましさだと認め、敏敏をマネージャーに据えるのであった。この敏敏は後のエピソードでも登場する至真圆の主要キャラの一人となる。
その後、范总は毎日至真圆に通い李李の歓迎を受ける。李李は范总と魏总の取引を自分の店で成功させ、至真圆のバリューを上げたいのだ。そこへ汪小姐がやって来て、自分が范总の品物(三羊ブランドの服)の輸出申請を手伝っている事をリマインド、魏总とは取引しないよう念押しする。これに対し范总は、品物1着あたり1元値上げするなら阿宝と取引すると伝えるが、阿宝は逆に1元の値下げを要求。果たして范总と取引するのは誰になるのか。
~第3話終り~
本記事はhttps://tvmao.com/drama/YG0jXGVl を参考にしています
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