このシリーズでは2024年に中国で大ヒットしたドラマ「繁花」のあらすじを紹介して参ります。今回は第18話の解説です!
第18話では玲子による夜东京の新装オープンに向けた準備が進み、そして汪小姐も独り立ちに向けた大きな一歩を踏み出す…!
第18話あらすじ解説
登場人物
役名 | 役者 | 補足 |
阿宝(宝总) | 胡歌 | 経済発展の波に乗り成り上がったビジネスマン |
爷叔 | 游本昌 | 阿宝のビジネスの師匠 |
玲子 | 马伊琍 | レストラン夜东京の女主人。阿宝と共同経営している。銭ゲバ |
汪小姐 | 唐嫣 | 外贸总公司のスタッフ。阿宝のビジネスパートナー |
李李 | 辛芷蕾 | レストラン至真园の女主人 |
范总 | 董勇 | アパレルメーカー三羊の社長 |
强总 | 黄觉 | 深圳の投資家 |
陶陶 | 陈龙 | 阿宝の親友。魚の卸屋 |
葛老师 | 陈国庆 | 玲子,陶陶たちの近隣住民、家主。本職は弁護士(?) |
菱红 | Papi酱 | 玲子,陶陶たちの近隣住民。アクセサリショップを営む |
魏总 | 郑恺 | 毛皮商人 |
金科长 | 吴越 | 外贸公司の科长。演じる吴越は「爱情神话」でも马伊琍と共演している |
梅萍 | 王菊 | 外贸公司での汪小姐の同僚・友人。密かな野心家 |
敏敏 | 李玲 | 至真园の従業員。小江西の姉貴分 |
あらすじ
玲子、葛老师、菱红たちが新生夜东京のコンセプトについて話している。葛老师は伝統的な上海料理(本帮菜)のシェフを探してくるべきと言い、菱红は玲子が日本食を作っては、と言う。玲子は店のコンセプトを変えるなら徹底的に変えるんだ、と返す。果たして玲子は夜东京をどのような店に変えるのだろうか。
1993年7月20日、深圳株価指数は全国最低水準まで落ち込む。一方、上海市場には大量の企業が上場しており、さらに潜在的な価値の高い企業も含まれており、深圳の投資家たちは上海市場に希望を見出す。阿宝は邮票李に至真园の動向を見張るように指示する、そう至真园に深圳の大口投資家たちが集まっておりその思惑を測ろうというのだ。阿宝は李李がメタファーとして述べた鲇鱼(ナマズ)の話を思い出し、何か動きがあるだろうと踏む。そして深圳から一匹の巨大な鲇鱼が現れるのであった。
ある夜、玲子は至真园に食事をしに来る。贤进路は夜东京の女主人が黄河路に来るとは何の目的かと黄河路中の注目を浴びる。至真园では李李が直接玲子を席へ案内すると、玲子は今度新しい店を出すにあたり黄河路へ視察に来た、そして500元で至真园のオススメを出してくれ、と言う。李李は500元のセットを3種出し、黄河路の500元と贤进路の500元は価値が違うと言う。玲子は贤进路だと家賃等を押さえ、その分サービスに力を入れられる、と返す。そして夜东京と至真园は店のポジショニング・コンセプトがそもそも違うため、お互いぶつかることは無いね、と二人は話す。李李は玲子に何なら黄河路に出店すれば、あなたは天性の経営者だと思うと言うと、玲子はお互いそんなものでは無い、と言う。お会計の際、李李は今日は至真园がおごると言うが、玲子は謝辞し、至真园は自分よりもよっぽど太っ腹ね、と返す(そう、玲子は以前お茶だけで李李に500元を請求したのだ)。二人の間に微妙な緊張感が走るのだが、このあたりの会話は雰囲気を楽しめばOKで、ストーリーには大きな影響は無い。
玲子は夜东京で部屋に引きこもり何やら図面を書いている。葛老师たちが何をしているのか聞くと、玲子の新しい構想だと二階まで店を拡大しないと手狭になる、つまり元の夜东京以上に繁盛させられる自信があるようだ。そして翌日の夕食に新しい夜东京の料理の試作品を振る舞うため、玲子は葛老师たちを招待するのだ。玲子は高級食材を陶陶から仕入れつつ、玲子の部下たちも骨董品の食器をかき集めてくる。何やら高級路線のようだ。その夜、白いコック服をまとった玲子は葛老师たちに新しい夜东京のコンセプトを披露する。それは上海の伝統料理・本帮菜と和食の懐石料理をフュージョンさせた「本帮怀石料理」という玲子考案の料理なのだ。鸡油花雕蒸鲥鱼、樱桃肉、といった懐石料理を想起させる上品な盛り付けの上海料理を葛老师たちは大絶賛する。一人600元という強気な価格設定だが、旅行客や外国人をターゲットにしたものであり玲子は黄河路の女主人でも成し遂げられない成功をして見せる、と豪語する。
外贸公司に場面が移り、汪小姐が辞職した事が分かる。それを聞きつけ梅萍は自分が科长に昇進できないか金科长に掛け合うが、金科长からはまだ時期尚早だと突っぱねられる。梅萍は爷叔に不満をぶちまける。爷叔は梅萍をなだめながら「钢铁是怎样炼成的(鋼鉄はいかに鍛えられたか:オストロフスキー著)」という本を読むように勧める。
さて外贸公司を辞めた汪小姐は新しいビジネスを始めるため、ビジネスパートナーを募るイベント(招商会)を企画する。以前の取引先を中心に4~50名を招待し、今後の協業を取り付ける場とするつもりなのだ。イベントの案内書を外贸公司の金科长や爷叔に届ける。また父親も賛同してくれており、費用も父親が出してくれるという。イベントは至真园で行う計画だ。金科长は外贸公司から独立した今、汪小姐に冷静になるように言う(心可以热,但是头要冷)が、汪小姐の決心に揺るぎはないのであった。爷叔や阿宝も汪小姐のこのイベントは厳しいと見ている。みな誰が汪小姐と協業するのか噂話ばかりしているが、実際に協業に踏み出す者は少なそうなのだ(菱角装麻袋里:麻袋に入った菱のように、トゲ(口)は出すが、身は出さない)。阿宝はせめて気持ちだけでも応援すると言う。
ここで魏总が久しぶりに登場する。先日大雨の中倉庫に来て以来、肺炎で倒れていたのだ。花束を持って倉庫の汪小姐を尋ねるのだが、既に汪小姐は退職したことを知る。
汪小姐は至真园でイベントの準備を進める。たくさんの来賓を想定し個室も3つ押さえるのであった。しかし爷叔の予想通り、17時開始の招商会は夜まで誰も来ず、汪小姐は金科长の「みな口は出すが身体は表さない」勧告を思い出す。李李は潘经理に引き続き個室は3つともキープするよう言う、汪小姐のメンツをあくまで尊重しているのだ。そんな中、魏总はただ一人イベントを盛り上げようと黄河路で勧誘をしている。そこに范总も加わるが、結局そのまま誰も来ずにイベントは終わる。汪小姐は気丈に、27号の看板の無い自分の価値が分かったという。范总は起業するには先立つものが要る、27号に戻るよう勧めるが、汪小姐の独立への思いは変わらない。魏总は、小口のパートナーが今日のイベントに何社来ても価値はない、俺のような大口をつかまえなきゃ、と言った矢先、魏总のスポーツカーは父親に回収されてしまう。つまり魏总も見掛け倒しの駆け出しだったのだ。それでも魏总は汪小姐に自分との協業を提案、二人とも無一文での起業となるが良く考えて明日まだその気なら自分と会うよう汪小姐は言う。魏总、コミカルなネタキャラではあるが、彼の汪小姐を応援する姿勢に胸熱なシーンである。
その頃爷叔と阿宝は和平饭店で夕食をとっている。汪小姐の招商会には当然行かずに。そして爷叔は汪小姐が魏总と手を組んだことを知り、阿宝に
从此以后,排骨是排骨,年糕是年糕
と言う。阿宝は、自分を見誤らないでくれ、元々排骨年糕はビジネスとは関係がない、と返す。
排骨年糕は汪小姐と阿宝がいつも二人で食べていた思い出のジャンクフード。それを比喩に使ったこの爷叔のフレーズ、「ビジネスはビジネス、友情は友情、二つを切り分けろ」、という意味と解釈しました。つまりビジネスに私情を持ち込むな、と。それを村上春樹のエッセイに登場した「ボートはボート、ファックはファック」というフレーズをふと思い出しました。
場面は変わり、阿宝は蔡司令から南方国际信托投资公司(南国投)の强总が上海に来たことを知る。阿宝は2ヶ月も経ったんだ、ようやく来たか、と答える。强总は深圳の投資会社・南国投の社長で、今回上海市場を狙って上海へ来たのだ。上海支社は1991年にA先生と開業した拠点だという、そして强总は前例のないテーマで金を稼ぐと意気込む。强总はある株式番号を社員に告げ、30元をターゲットにすると表明。阿宝とは何やら因縁がありそうな强总だが…ここに二人のマネーゲームが始まる!
第18話へ続く!
本記事はhttps://tvmao.com/drama/YG0jXGVl を参考にしています
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