このシリーズでは2024年に中国で大ヒットしたドラマ「繁花」のあらすじを紹介して参ります。今回は第8話の解説です!
8話では阿宝と汪小姐が知り合った経緯が明らかに、そして汪小姐の阿宝を慕う姿に胸を打たれる熱い回!
第8話あらすじ解説
第8話 登場人物
役名 | 役者 | 補足 |
阿宝(宝总) | 胡歌 | 経済発展の波に乗り成り上がったビジネスマン |
爷叔 | 游本昌 | 阿宝のビジネスの師匠 |
玲子 | 马伊琍 | レストラン夜东京の女主人。阿宝と共同経営している。銭ゲバ |
汪小姐 | 唐嫣 | 外贸总公司のスタッフ。阿宝のビジネスパートナー |
李李 | 辛芷蕾 | レストラン至真园の女主人 |
陶陶 | 陈龙 | 阿宝の親友。魚の卸屋 |
卢美琳 | 范湉湉 | レストラン金美林の女主人。ジャイアンみたいな強烈キャラ |
麻总 | 杨皓宇 | 诸暨の紡績商 |
小宁波 | 喻恩泰 | 阿宝の仲間 |
金老板 | 戴军 | 金美林の老板、卢美琳の夫 |
小江西 | 王乙 | 金美林の従業員。野心家 |
敏敏 | 李玲 | 至真园の従業員。小江西の姉貴分 |
露丝 | 张羽霖 | 红鹭酒家の従業員。敏敏の友人 |
あらすじ
冒頭は前回の至真园停電事件の少し前から始まる。金梅林を飛び出した小江西、至真园の敏敏、红鹭酒家の露丝、三人が小江西の身の振り方について話している。三人は一緒に黄河路に職を求めて来た友人・先輩後輩なのだ。敏敏たちに黄河路に拘らなくても良いじゃないか、と言われた小江西だが、あくまで黄河路で一旗揚げたいと言い、そして卢美琳を見返すために至真园の停電を引き起こしたのだ。
(第7話とダブるが)夜东京では阿宝と陶陶が話し込んでいる。阿宝は陶陶より、至真园の停電は黄河路の面々たちが仕組んだものではないか、と聞く。よそからやってきた李李を陥れようとしているのではないか、と。阿宝は金凤凰も黄河路の女主人たちに噂を立てられて追い詰められた事、そして自分もその煽りを食らった事を持ち出し、このままにはしておけないと言う。また陶陶は、その日深夜2時まで小阿姨と麻雀をやっており、そのまま家に帰るとまずいので阿宝と一緒に麻雀をやっていた事にしてくれ、と阿宝に頼み込む。阿宝はしぶしぶ陶陶の奥さん・芳妹に電話してあげる。
阿宝は帰り際、玲子に自分は诸暨(Zhūjì:浙江省の都市)に出張すること、そしてもし至真园がサポートを求めてきたら助けてあげるよう伝える。
この3時間前、阿宝は麻总(三羊ポロシャツの偽物を作った工場長)と面会しており、诸暨の工場を視察する事を合意していた。それも阿宝は一人で行くと応えている。いわば商売敵の工場へ一人で行って大丈夫なのか?翌日、 汪小姐は爷叔から阿宝が一人で诸暨へ行ったと聞き大慌てする。そんなところへ一人で行ったら阿宝の身が危ない、なんとかしなければ!と。
阿宝は仲間の小宁波に自分を诸暨へ車で送らせる。待ち合わせの場所へ到着、阿宝は持参した140万元の現金を手に車を降り、この先は自分一人で行くこと、また夜8時に迎えてきてもらうよう小宁波に依頼する。そこへ麻总の子分たちがバイクで到着、阿宝は麻总の工場へ向かう。
汪小姐は小宁波に電話し、夜8時に阿宝を迎えに行くことを知るが、そんな悠長なことは言ってられない、と焦る。汪小姐はそこに居合わせた車屋から中古車を25,000元現金即決で購入する事にする。引き出しにしまってあった現金を同僚の梅萍に持ってこさせ車を購入、阿宝がいる诸暨へクルマで向かうのであった。汪小姐はどこからそんな現金を準備したのか…実はこの現金は汪小姐が玲子に支払ったイヤリングの代金で、爷叔経由で戻ってきたものだった。汪小姐は爷叔から実はイヤリングは500元の価値しか無いと聞き、現金の返金を受け入れたのだった。梅萍からカネの出所を聞かれた汪小姐は途中の経緯を省き阿宝からもらった、とだけ説明。梅萍は嫉妬を秘めた眼で汪小姐を見送る(なんとも不穏な展開…。诸暨へ行くためにクルマを購入する汪小姐も衝動的なように思えるが、元々クルマを購入する計画があった事を別の場面で阿宝が触れられていたので、伏線は張られていたという事か)。
場面は金美林へ移り、証拠不十分で警察から釈放された小江西が金美林に復帰、女主人の卢美琳が小江西を見込んでリーダーに選出する。小江西が金美林の老板から金のブレスレットをもらったいざこざはあったものの、小江西が至真园を停電に陥れたこと、そしてその罪を一身に受け入れたことを卢美琳は評価したのだ。小江西が路地裏でブレスレットを売って手に入れたと思われる現金を数えていると、そこに至真园で働く先輩・敏敏が登場。敏敏は小江西が李李を逆恨みして至真园を停電にした事、そして見境なくまた金美林に戻るとはどういう了見なのか問い詰める。小江西は、あの停電事件は私個人だけでなく、黄河路で至真园と敵対する女主人たちの総意だ、とやり返す。至真园をめぐる緊張感がどんどん高まっていくのだ。。
至真园では李李が料理長に、競合店の日日鲜が引き抜こうとしていることを問い詰める。料理長は日日鲜から至真园の1.5倍のオファーを受けていること、そして至真园とは3年の労働契約があるものの病気の診断を元にいつでも辞められる、と返す。結局李李は当月分の給料から1.5倍に増やすことを渋々受け入れる。足元を見られ、はらわた煮えくり返る李李。潘经理が登場、なぜ日日鲜が引き抜こうとしているのが分かったのか李李へ訊く。李李いわく、料理長はずっと今上海というタバコを吸っていたのだが、最近になって黄鹤楼という湖北省のブランドに変えていること、そして日日鲜の主人が黄河路唯一の湖北省出身者でありかつ黄鹤楼を吸っていることから見抜いた、と返す。この時、第7話の最後で李李が料理長とタバコを回想するシーンが映り、視聴者はあれが伏線だったのかと気付かさせる。代わりの料理人は広州で見つかってはいるが、翌月の25日まで来ない、しかし翌日には代わりの料理人を見つけたい、どうしたものか思案する。
さて阿宝は麻总の工場に到着。三羊シャツの偽物をライターで炙り、その品質の高さを確認する。さぁ取引だ、という段になり阿宝が約束の140万元が入ったアタッシュケースを渡すと何と空!麻总と一味は激高、阿宝に危機が迫る!
その頃汪小姐はクルマを飛ばし诸暨へ向かっているが、スピードの出し過ぎで事故ってしまう…汪小姐は大丈夫なのか…!?
その夜、8時15分になっても阿宝が戻ってこないため、小宁波と一味は警察に通報しようとするところに阿宝からKTV(カラオケ)にいるという連絡が入る。小宁波たちが駆けつけると、阿宝と麻总は意気投合しカラオケに興じているではないか。実は工場ではその後、阿宝が麻总に偽物を作るのではなく麻总の高い技術でオリジナルのブランドを立ち上げよう、と持ちかけた事が分かる。麻总はちゃんとした販路を持っておらず、せっかく高い技術を持っていても偽物を作るしかなかったのである。阿宝はその場で40万元分の購入及び上海沪联商厦での販売を約束、麻总たち一味は大いに喜ぶのであった。
阿宝たちがKTVを出ると、そこには疲れ果てた汪小姐が。阿宝を助けたい一心で、大雨の中事故に遭いながらも诸暨まで辿り着いたのだ。なぜか汪小姐は野暮ったいメガネをしている。阿宝は泣きじゃくる汪小姐をなぐさめる。阿宝は汪小姐が自分が知っているとてもキレイな友人に似ていると言い、汪小姐が誰?と聞くと阿宝は「碰哭精(泣き虫さん)」と答える。汪小姐は「十三点(バカ)!」と応酬。つまり、汪小姐は昔の泣き虫だった頃から変わらないね、と言っているのである。この時の阿宝の優しいまなざし、汪小姐の精一杯の様子、本当に胸キュンシーンである。
碰哭精(パンカジン:すぐに泣く人の事)
十三点(サッセディ:バカのこと)
帰り道、阿宝は汪小姐と出会った頃を回想する。そう、汪小姐がまだ碰哭精(泣き虫)と呼ばれていた頃を。
当時、中国の対外貿易は開放されておらず、外灘は中山东一路27号にある外贸公司の承認を得る必要があった。汪小姐は新卒で外贸公司に配属、金科长の元で働いていた。この時の汪小姐はまだ野暮ったい白縁のメガネをかけている。阿宝は香港向けの貿易案件があり、爷叔の紹介で外贸公司を訪問、汪小姐と出会うのであった。汪小姐は給湯室で金科长が集めている切手を封筒から剥がすのに四苦八苦しており、阿宝は剥がすコツを教えてあげ、取り入ろうとする。汪小姐はちゃんと並んで金科长の貿易許可を取るよう要求する。阿宝は金科长を捕まえて許可をお願いするが、少額取引は一階で申請するように、と取り合わない。
翌日阿宝は再度外贸公司を訪問、給湯室で汪小姐が貴重な切手を無くして大慌てしているところに遭遇する。汪小姐は同僚から切手を無くしたくらいで泣き虫(碰哭精)ね、と言っている。阿宝は切手を見つけてあげ、切手に関するうんちくを披露する。そのままの勢いで金科长に取り次いでもらうようお願いするが断られる。汪小姐は金科长に阿宝が切手を見つけてくれたこと、そして爷叔が阿宝を外贸公司に紹介した事に触れると金科长の表情はこわばり、半年間は工場のキャパが無いため阿宝には半年後に再度来るように、と伝える。阿宝はそこで生産設備は阿宝が準備し、「三来一补(中国の加工貿易の事)」方式で日本から輸入し工場に供給するようにすれば何とかなる、と考える。ただ工場が無い事には始まらない、と行き詰まりそうになったところで、外贸公司に居合わせた破産寸前の宁波の紡績工場の社長と出会い、苏州河に身投げした社長を助けに阿宝も河に飛び込む。
第9話へ続く!
本記事はhttps://tvmao.com/drama/YG0jXGVl を参考にしています
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