英語学習用の様々な教材が世に溢れていますが、僕のイチオシは”ポッドキャスト”を使った英語学習です。
これは新しい良質の英語コンテンツに飢えている、無料でコンテンツにアクしたい、通勤・通学の隙間時間を活用したい、英会話スクールに通う時間が無い、という方にオススメ!の学習方法となります。この記事では、ポッドキャストの基本的知識、なぜ英語学習に使えるのか、そしてオススメの番組紹介を行います。
そもそもポッドキャストとは何か
ポッドキャスト(Podcast)とは、AppleのiPodと放送を意味するBroadcastから成る造語で、インターネットを通じて音声を主体とした番組を配信する仕組みの事を指します。ユーザー側はケータイ、PCなどにインストールしたポッドキャストアプリやウェブブラウザを通じて番組を視聴する形となります。
番組は基本的に無料*で、BBC、The New York Timesなどの著名なメディア企業が制作するニュースコンテンツ、TEDなどライブイベントの収録・配信、テクノロジーや金融経済を扱う専門チャネルから、一般ユーザーが趣味で配信する番組まで多種多様です。MUSICOMPHによると世界各国で総計70万チャンネルの番組が配信されていると言われています。
ユーザーは番組をポッドキャストプレーヤーで検索し、気に入った番組を購読(subscribe)するとプッシュ型で新しいエピソードが次々と配信されてくる仕組みです。特にアメリカではクルマ社会という背景の中で音声番組がウケるのか、ポッドキャストユーザーは年々増加を続け、人気番組This American Lifeは250万人のリスナーがいるそうです。
*企業スポンサーからの広告を入れる事で運営費をまかなっている。一部有償のプレミアムコンテンツも有り。
なぜポッドキャストが英語学習に有用か
僕は2011年から米国に日系企業の駐在員として赴任しました。元々英語は好きだったので基本的なコミュニケーションには苦労しなかったのですが、ネイティブの速い英語を理解するのはやはり苦労しました。また毎日クルマで片道40分かけて通勤するのですが、車内で聴くラジオも最初は全く聴き取れず…
ところが毎日往復1時間以上、車内でラジオを聴きながらシャドーイングを続けた結果、気が付くとネイティブがスラング織り交ぜながらトークするようなラジオショーも聴き取れるようになっていました。例えばこんな番組です↓
Elvis Dran’s morning show
この体験から、ひたすら継続的にリスニングやシャドーイングを続けることの効果を実感しました。
ただ、日本にいながらどうすればハイクオリティな英語音源にアクセスできるのか?そこでポッドキャストの出番です!
ポッドキャストを用いた学習の利点
ネイティブにも人気の良質なコンテンツを毎日無料でゲットできる
リスニングのためにCD付き英語教材を頻繁に買うのはもったいない、と思いますよね?ポッドキャストなら無料で国内外のハイクオリティな番組を聴くことができます。
日本人の英語学習者を対象とした国内の番組から、ネイティブに人気のトーク番組まで、様々なコンテンツが揃っています。そして、英語を学びながら感動や刺激があるのが最大の魅力だと僕は思っています。内容が魅力的だからこそ続けられる、と。
ほんの一例ですが、次のような番組があります。
初級編
Daily News Article
格安オンライン英会話スクール・レアジョブ英会話が毎日配信している無料のニュース番組。1エピソード2分強なので何回もリピートして聴いちゃいましょう。(トランスクリプト有り)
中級編
Englishpod 101
こちらは有料サービスとなりますが、楽しく学べるポッドキャストエピソードが充実しているだけでなく、フラッシュカード、発音練習といったツールが揃ったパワフルなサイト。(トランスクリプト有り)
EnglishPod101.com – Learn English with Free Daily Podcasts
Hapa英会話
日米ハーフのJun先生がお届けする「生きた英語」を学べる超有名ポッドキャスト。初心者にもオススメという事ですが、かなり骨太でリアルな表現も学べるので中級としてご紹介しました。(トランスクリプト有り)
ネイティブにも人気の上級者向け番組
The Market Place (ニュース番組)
全米のラジオ局でウィークデーに放送されているビジネス・経済ニュース番組。様々なレポーターが旬のトピックスについて解説・討論するので、毎日聴いていると経済動向にかなり詳しくなれます。パーソナリティKai Ryssdalのテンポ良い、高い声が耳に心地よいです。
The Moth (ストーリーテリング)
僕が一番好きなポッドキャストです。TEDのようにプレゼンターが登壇して語るイベントですが、人生にインパクトを残したパーソナルな体験を語る、というものです。プレゼンターはプロのコメディアン、ライターからその場でくじ引きで選ばれた庶民まで。
イギリス海峡をバスタブで横断する冒険譚から、少年時代の甘酸っぱい思い出話まで、光に寄せられる蛾(moth)のように、あなたもめくるめくストーリーに魅せられる事でしょう。
Overheard (ドキュメンタリー)
National Geographicが毎週配信する遺跡や自然を巡るドキュメンタリー番組。2019年6月に始まったばかりですが、水没したピラミッドの地下室を潜水して探検する、南アフリカのマリオン島に住むアホウドリとそれを襲うネズミの攻防、といった知的好奇心を刺激するエピソードが盛りだくさんです。(トランスクリプト有り)
通勤・通学、家事の合間など、隙間時間を有効活用できる
ポッドキャストはビデオ媒体の番組もありますが、基本的にはオーディオプログラムとなります。なので、通勤・通学途中に電車やクルマの中で聴く、家事をしながら聴く、といった形で隙間時間を最大限使える学習方法となります。例えば毎日通勤に往復2時間かけている人の場合、年間240日通勤したとして、480時間も英語のシャワーを浴びられる事になります。
音源のトランスクリプト(原稿)もある
番組によりますが、トランスクリプトが用意されているものもあり、学習が簡単になります。
ポッドキャストのエピソードにはテキスト情報を埋め込む事が可能で、番組によっては音源を聴きながらそのトランスクリプトをポッドキャストアプリで閲覧する事ができます。
例:レアジョブ英会話 Daily News Article
長いエピソードは、番組のウェブサイトで提供されているものもあれば、熱心なファンがアップしているものも!
例:This American Life
リスニング・シャドーイングで聴き取れなかった箇所をトランスクリプトで確認する、という使い方がオススメです。
ポッドキャストの聴き方
さんざんポッドキャストの魅力を書きましたが、実際の視聴方法を解説します。
iPhone、iPadの場合は標準で付属しているApple Podcastで、アンドロイドの場合はPlayストアから適当なポッドキャストアプリをインストールして視聴します。
番組を視聴するには、アプリの検索機能で聴きたい番組を見つけて”購読”するだけです。もしアプリの検索機能で見つからない場合は、お目当ての番組のホームページからRSSフィードをコピーしてアプリ内に貼り付ければ登録できます。
ポッドキャストアプリも千差万別です。語学学習目的であれば僕はCastboxをオススメします。詳しくはこちらの記事をどうぞ↓
ポッドキャストで英語学習のススメ ~まとめ~
以上でご覧頂いたように、ポッドキャストは下記の点で英語学習に適しています。
- 通勤・通学・家事などの隙間時間を活用できる
- 無料で良質なコンテンツを得られる。学びながら感動もある
- 音源のトランスクリプトもある
一人でも多くこの魅力が伝われば幸いです。
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