Airbnb創業者Joe Gebbiaインタビュー!How I Built Thisより

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このシリーズでは名だたる起業家たちをインタビューするアメリカの大人気ポッドキャスト”How I Built This with Guy Raz”より、オススメエピソードや、番組に登場する創業者たちの金言をご紹介します。ビジネス英語を勉強したい方から、アントレプレナーのストーリーに触れてモチベーションを得たい方まで、幅広くお勧めできる内容です。

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How I Built Thisについて

How I Built This (以下HIBT)は、ラジオパーソナリティ・Guy Razが起業家に創業秘話を取材するインタビュー番組。2016年開始の比較的新しい番組ですが、StarbucksのHoward Schultz、Southwest AirlinesのHerb Kelleherといった超有名企業の創業者から、日本ではあまり知られていないスタートアップまで、幅広いジャンルの起業家たちがカバーされています。偉業を成し遂げられた人たちだけあって、しびれるようなストーリー、それを乗り越えた人だけが語れる重みのある言葉が大変貴重です。起業とは無縁の人でも、インスピレーションを受けること間違い無し!また英語学習者にとっても、アントレプレナー達のエレガントで洗練された英語表現は参考になると思います。番組は毎週更新で、無料で視聴できるのが申し訳ないくらいハイクオリティです。まだの方は、下記リンクから無料購読しましょう。
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Airbnb創業者Joe Gebbiaインタビュー解説!

今回はAirbnb創業者・Joe Gebbiaのインタビューエピソードの解説です。こちらのプレーヤーから直接再生できますので、後半の名言集と共にお楽しみください。


By NPR. Copyright is owned by the publisher, not eigo-tips.com, and audio is streamed directly from their servers.

Airbnbとは

Airbnb(エアビーアンドビー)はご存知、空いている部屋を他人に民宿として貸し出すためのプラットフォームサービス。同社は2008年にカリフォルニアでBrian Chesky (CEO)、Joe Gebbia (CPO)、Nathan Blecharczyk (CTO)の3名の共同創業者によって創業。現在では企業価値4.2兆円(*1)、220以上の国で700万件以上の宿が同社を通じて提供されている(*2)というマンモスサービスで、シェアリングエコノミーの代名詞にもなっていますね。
今回のエピソードは、3人の共同創業者のうちの一人、Chief Product OfficerであるJoe Gebbiaのインタビュー番組です。赤の他人に自分の部屋を貸す、という昔は発想・常識として有り得なかった事を、いかにビジネスとして成立させたか、全編を通じて大変面白いエピソードです。

あらすじ:創業~創業後の軌跡

ロードアイランド州の美術大学を卒業後、まだ20代半ばのJoe Gebbiaは同級生のBrian Cheskyとサンフランシスコでベンチャー企業を作ることを決意。といっても具体的な事業計画は無く、試行錯誤を繰り返す。そんな中、デザイナー業界のカンファレンスイベントで宿がどこも売り切れという話を聞き、自分達の空いている部屋と簡易ベッド(air bed)の貸し出しを思い付く。部屋を貸すだけでなく、空港との送迎や市内ガイドも行う、借り手との交流も意識した内容とし、airbedandbreakfast.comというサイトを立ち上げる。これが今のAirbnbにつながる源流となる。
当初は大イベントの開催に合わせた宿泊需要を狙っており、SXSW (South by Southwest)での華々しいローンチを目指すも、見事に失敗。

その後、大きなイベントがなくとも、旅行者向けに民泊需要がある事に気が付き、対象マーケットを拡大。2008年にはコロラドの民主党集会に合わせてキャンペーンを張り、一時的な盛り上がりを見せるものの、需要は持続しなかった。

資金難を乗り越えるため、当時の大統領候補バラク・オバマとジョン・マケインをもじった“Obama O’s”や“Cap’n McCains”という限定シリアルを企画・発売。中身のシリアル自体は市販のシリアルで、外装を変え500箱限定商品にするだけで、一箱$40の高価格設定で売り抜く。

このシリアルのエピソードが起業家を支援するY-CombinatorのPaul Grahamの心をつかみ、支援プログラムへの参加が叶う。これを転機に、ビジネスの成長と拡大が始まるー

聞きどころ

スタートアップが皆経験する停滞期をシリコンバレーのインサイダー視点で解説したり、売上が全く上がらない状況をMidwest of analyticsと表現したりと、ウィットの利いた英語表現に思わず引き込まれます。負債を返すために当時の大統領候補たちをあしらったシリアルを企画して売った話など、実に痛快。Joeの軽妙な語り口からはご本人の明るい人柄がにじみ出ており、愉しく聞ける起業家インタビューです。

シリコンバレー流の「ビジネスのスケーラビリティ(規模の拡大)」にこだわったあまり、実ユーザーや現場の観察がおろそかになっていたJoe達を、Y-CombinatorのPaulがいさめ、ニューヨークの初期ユーザー(Early Adoptor)のインタビューに行かせるくだりは更に印象的。ユーザー取材の結果、Airbnbのサイトの使い勝手の悪さや、貸し出す部屋(貸し手にとっての商品)の写真が魅力的に撮られていない、といった課題に気づき、その後の改善につながったとのこと。

現場の観察や、プロトタイピングによるびビジネスの改善手法はGoogleのスタートアップ支援プログラムでも取り入れられています。より詳しい手法を知りたい方にはこちらの本がオススメです。

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こぼれ話
エアビー(Airbnb)のエアーって、Air Pod的な何かだと思ってたら簡易エアベッドの事だった件。BnBはもともとBed aNd Breakfastの略で、アメリカの民宿を指します。Airbnbは、更に簡易エアベッドと空き部屋さえあれば誰でも部屋を貸せる、というコンセプトを表したネーミングとなります。

エピソードに登場する金言・名言たち

ここでは今回のエピソードに登場するJoeの金言を和訳付きでご紹介します。

2:26- We were just a couple of college grads, you know, eating ramen.
訳:僕たちはただの学卒で、(カネも無いので)ラーメンを食べていたんだ
アメリカでもラーメンは若者の定番なんですね!

7:28- So it was Amol, Catherine and Michael were the first three guests. and you know, what happened next, I don’t think we could’ve predict it.They stayed with us and we got to show them San Francisco they got to feel like they belonged there, in the sense that they didn’t feel like outsiders. Do you know what I mean? I never forget saying goodbye and watching the door click close, and thinking with Brian, wait, what if we made it possible for other people to also share their experience and to host guests in their home and show off their city?

訳:初めてのお客さんはAmol, Catherine と Michaelで、その後起きた事は、僕たちの想像をちょっと超えていた。彼らはうちに泊まって、僕らはサンフランシスコの街を案内して…彼らはまるでこの街に暖かく迎えられているような気になってたんだ。よそから来たことなんて忘れるくらいに。分かる?彼らが帰って行って、ドアが閉まった瞬間まではっきり覚えている。で、Brianと、待てよ、他の人達にも僕らと同じように自分たちの体験をシェアしたり、家に泊まらせたり、自慢の街を案内できるようにしたらどうなる?って話したんだ。

8:36- People there would said, “Oh my god, that’s the coolest thing in the world! Where can I do that?” or they said “That is the most bizarre, creepiest thing I’ve ever heard”, and they left the conversation.

訳:(僕らの話を聞いた人達は)「それスゲー!どうやったら俺達もホストできるの?」と食い付くか、「知らない人を泊めるのって気味悪過ぎるわ…」とそこで話が終わるか、の二通りに分かれた。

8:48- and I think one of the things I learned is that great ideas I think they usually start out as polarizing. They are not kind of like “yeah,, that’s kind of OK”. They either really tug on somebody’s emotions or a latent desire that they have, that’s never been answered before, or they really perturb them in some way. As long as there’s people who really gravitate towards the idea, to me that’s the signal that you might be onto something.

訳:これで分かったのは、イケてるアイディアってのは、初めは極端な反応があるってこと。「ま、いいんじゃない?」ではなく、誰かの感情を揺さぶったり、本人も気づいていない欲求に働くか、逆にひどくかき乱すか、のどちらかなんだ。そのアイディアに強く惹き付けられる人が少しでもいるなら、そのアイディアはいい線行ってるって事だと僕は思うよ。

11:00- So at this point we have about three weeks to build before SXSW (South by Southwest). I’m doing design, Nate’s doing the coding, we are just pulling the pieces together. And no money at this point. Uh, no money at all. Just doing doing this like on a shoestring. Half a shoestring.

訳:ということで、SXSWのイベントまで3週間しか無く、僕がデザインをやって、Nateがコーディングして、なんとか完成にこぎつけようとしてたんだ。カネなんて全く無く。わずかな予算で?超わずかな予算で。

覚えたい慣用表現
Pulling the pieces together
On a shoestring:わずかなお金で

15:43- We get introduced to twenty investors in silicon valley, ten of them replied to our email, five of them met with us for coffee, zero invested in us. It was completely demoralizing. Like, 2008 was the worst year of my life.

訳:僕らはシリコンバレーの20人の投資家に紹介され、うち10人がメールの返信をくれ、うち5人とカフェで会って、結局誰も投資してくれなかった。完全に意気消沈だよ。正直2008年は人生最悪の年だった。

17:40- There’s a name for this by the way, in the startup world. There’s a name for this phase of a company where you have a product and a market but they don’t fit yet. It’s almost like two gears that don’t touch. There’s this mysterious gap between these metal gears that you can’t figure out how to close the gap. And they call this a trough of sorrow. It’s this little long period of time where you don’t have product-market fit, and in the data or analytics, it looks like Midwest of analytics because it’s perfectly flat. There’s zero growth.

訳:実はスタートアップの世界では、この状況に名前が付けられているんだ。商品を売り出して、市場もあるはずなのに、商品と市場が噛み合ってくれないスタートアップのフェーズに名前があるんだ。まるで触れ合うことの無い二つの歯車みたいに。この二つの歯車の間には、どうやっても埋められない不思議な溝があるんだ。これを業界では嘆きの溝と呼んでいる。ちょっとした長い期間、商品が市場にハマってくれず、もうデータやアナリティクスは中西部みたいなもんだ。なぜなら(売上データ・チャートは)完全に平らだから。売上成長は完全にゼロなんだ。

売り上げが全く伸びない事を、アメリカの平野部である中西部に例えるなんて、Joeのウィットが感じられますね!中西部は米国の両岸(ニューヨークとカリフォルニア)の間にある誰も行かないflyover states、と揶揄される事もありますし、散々な扱いですね。

27:13- On the ride home, we get a phone call from Paul Graham to inform that he’d like to offer us a spot in the Y-Combinator program, and we later find out that the reason we got in wasn’t because of our idea. It was because through the breakfast cereal we had proved to him that we had hustle we had grit, if we could figure out how to hustle breakfast cereal a forty dollars a box, we could figure out how to make our websites work.

訳:帰り道、Paul Grahamから電話があり、Y-Combinatorのプログラムに受かったとの事。後々分かったんだけど、僕らのビジネスプランが評価された訳ではなく、朝食シリアルの件を通じて僕らにはガッツがあるを事を示せたんだ。シリアルを一箱$40で売る方法を思い付くなら、僕らのウェブサイトをモノにするくらいできるだろう、と。

28:40- it was in this moment sitting in this room, this tiny room, where something profound changed for us. Because up until this point, we had subscribed to the mythology of Silicon Valley, which is that you have to solve things in a scalable way, because what happens when one day the rocket ship takes off, You don’t want to get left behind, because your code held you back, and so we had tried to solve our problems by coding our way through it. and if you remember that didn’t get us anywhere because we were in the Midwest of analytics. And so here comes Paul Graham who gave us permission to do things that don’t scale such as fly across the country and meet the early adopters of your service, and it was in that moment that we felt so much more free to think even more creatively about how we can get our service off the ground. If you could do things that don’t have to scale, what else could we do?

訳:僕らの深いところで何かが変わったのは、その狭い部屋にいたこの瞬間だった。なぜなら、この時まで僕らはシリコンバレーの神話に捕らわれていて、すべては規模の拡大(スケール感)を目指してやらなくてはならないと思っていた。だって、ある日ビジネスが軌道に乗りだした時、コーディング(もっと言うとプロダクト)がまずかったから取り残されるなんて事はまっぴらでしょ。なので僕らは問題を全てコードを書くことで解決しようとしていた。でもさっきの話を思い返してもらうと、この方法だと何も生まれないんだ、だってアナリティクスは中西部なんだから。ここにPaul Grahamがスケールにこだわらなくて良い、と言うもんだー例えば国の反対側まで飛んで、うちのサービスのアーリーアダプターと会って話を聞くとか。まさにこの瞬間、サービスを立ち上げるにあたってはもっと自由に、クリエイティブに考えていいんだ、って気づいたんだ。スケール間にこだわらなければ、ほかに一体どれだけの事が出来るだろうか?

31:27- and this is where instinctively we went into design research mode. which is going out and talking to the people that you are designing for, such that you can understand the world from their point of view, to inform your point of view. And so I call this enlightened empathy – which is seeing the world so closely in the shoes of the person that you are creating for, that you can see the world that the way they see it. And you bring those insights back and combine it with your own design point of view, to create something new.

訳:で、ここから僕らは直感的にデザインの探求モードに入ったんだ。それはすなわち、デザインを届けようとしている人たち、つまりユーザーに話しに行って、彼らの視点で世界を理解し、そして僕らの視点を伝えること。僕はこれをenlightened empathy-開化した共感力、と呼んでいるんだ。それはあなたのユーザーと限りなく緊密な視点に立って、彼らの視点でこの世界を観ることなんだ。そしてそこで得られた洞察・インサイトを自分のものにして、あなたの独自の視点と組み合わせて、新しいものを創り出すんだ。

39:32-
I also remember in the first dot com of companies that were here today are gone tomorrow. There’s a list of ten of the hottest companies from 1990s, one of which you still remember. It’s because technology moves so quickly, that if you’re not thinking about what’s next, the world around you can change faster than you do.

訳:僕は最初のインターネットブームで、興った企業が次の日には無くなっていた、という事を覚えている。1990年代のホットな企業トップ10のリストがあっても、あなたはそのうち一社くらいしか覚えていない。それは、テクノロジーの進化はめちゃくちゃ速くて、あなたが次に何が起きるのかを考えていないと、あなたの周りの世界があなたを取り残して変わって行くって事なんだ。

Airbnbの創業者、Joe Gebbiaの言葉はどれも奥が深く、心に沁みます。Airbnbの創業ストーリーをもっと知りたい方には、こちらの本もオススメです!

Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法

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